CASE STUDIES部門を越え「変化」を共創する組織

あなたの会社では、それぞれの部門が互いに協力し合い、変化を創り出せているだろうか。自ら変化を創り出す組織の実現には、部門を越えた活発なコミュニケーションが欠かせない。

共創する組織に向けて

「部門を越え、情報交換や人材交流をしてほしい」
「複数の部門が協力し、総合力を発揮してお客様へ価値提供できるようにしたい」
「複数の部門で重複する活動や投資をしていることがある。もっと無駄をなくしたい」

いずれも経営者の方々から、頻繁にお伺いする言葉です。

多くの企業が、部門の垣根を越えた活動を活性化させたいと望みながらも、
なかなかその変化が起こせないのはなぜでしょうか?

お客様が挙げる理由

  • 役員同士が領空侵犯をしない、他部門に口出ししない、という不文律がある
  • 自部門の目標達成を優先すべきだとする価値観が根底にはある
  • 他部門を巻き込むと面倒なことが発生したり、スピードが遅くなると思われている

部門間の協業について、多くの人が頭では推進した方がよいと理解しながら、
実際にはそれに向かう行動がなかなか増えていかないという現状があるのはなぜでしょうか。

協業を阻む前提とルーティン

協業を阻む前提とルーティン

その背景には、部門を越えた協業を阻む「前提」や、その前提を日々強化する「ルーティン」があると考えます。

「前提」とは、無意識に「あたりまえ」だと思い込んでいること、「ルーティン」とはその「前提」をもとに無意識に繰り返し行われる行動を指します。そして、社員の意識や行動には、こうした無意識の「前提」や「ルーティン」が影響します。社員の意識や行動の変容には、自らの「前提」に向き合う必要があるのです。

しかし、こうした無意識の「前提」や「ルーティン」は、言語化しない限り明確に認識することは難しいものです。

私たちは、社内における「前提」や「ルーティン」を言語化し、問い直すことは、リーダーから始まると考え、リーダーへのコーチングを通じ、リーダーが「前提」と向き合い、組織の変化を創り出すお手伝いをさせていただいています。

「部門も国も超えた、対話と挑戦」

「部門も国も超えた、対話と挑戦」

B社のストーリー
化学品メーカー、従業員数2~3万名規模、一部上場企業

プロジェクト実施前の状況

時代に先駆けた技術や商品の開発に取り組んできたB社。しかし、企業規模が拡大し、社内が整備されていく中で、高い技術力を持ちながらも組織間での連携・融合が足りず、新たな商品開発やイノベーションが生まれにくい状況になっていた。また、グローバル全社のマネジメント層の意識調査でも「対話のない組織」という実態があった。

変えようとしたこと

「新たな価値の創造に向けた実践を促す仕組み」をテーマに、多彩な技術を持った人材が、部門の壁を越えて対話し、省察を深めることのできる組織の実現を目指した。

実際にやったこと

グループの10年後を担う中核人材を、全世界のグループ各社から集め、風土変革のためのコーチング・プロジェクトを実施。各グループ社長にはエグゼクティブコーチがついた。1000名を超える管理職がコーチングの手法を活用し、世界中で部門を超えた問いかけと対話を実践。部門の壁を越えて「対話と挑戦」に取り組む活動がスタート。

何が肝で実現・完遂できたのか

経営陣には、「対話する組織でないと世界で生き残れない」という覚悟があった。対話を通して人の創造性を解き放つことで、利益の向上だけでなく、社会に貢献する健全な企業になるという考えのもと、対話によるビジョンと利益の一体化に取り組んだ。

具体的な成果

リサーチを通じて取得したデータで見ると、プロジェクトに参加した管理職と、そのコーチング対象者に対して実施した調査では、「組織を越えて会話」「新しい領域に挑戦」に関して1年以内で大幅な変化が見られた。また、当初の意識調査で課題とみられていた、「部門間の壁」についても大きく改善したことが確認された。

具体的には、下記のような変化が起こりました。

・自部門でできることは可能な限り自部門で完結する → まずは関連部門に声をかけてみる
・自分が言いたいことを「伝える」 → 相手が言いたいことを徹底的に「聞く」
・「自部門」のKPI達成をまず考える → 「全社」で実現したい事をまず考える

大勢の管理職が同時に多くの対話を創り出し、体験しながら仕事のやり方を変えていったことで、組織はダイナミックに変化。実際に、新しい取り組みやプロジェクトも多く生まれた。

  • 社長 管理職のコメント

    今まで全く業務で接点がない方と、これだけ密に話すのは初めてでした。部門の壁は、存在しない。壁は僕たちの頭の中にあるということが分かり、他部門に声をかけやすくなりました。

  • 役員 執行役員のコメント

    縄張りをつくらずにいろいろな人と話すことが大切。対話すればするほど、「私の信念」「私の理屈」になり、実践への意欲、本気度が増す。このことを実感しました。

プロジェクトを通じてコーチ・エィが大切にしたこと、学んだこと

コーチ・エィでは、お客様の組織がたどってきた過去の歴史や作り上げてきた文化は価値のあるものと考えています。外部から解決すべき問題としてではなく、アイデンティティとして生かしつつ、目指す目的に向かってお客様が主体となって組織風土を変えられるようになることを、本プロジェクトでも大切にしました。B社では、年々お客様が社内でできる領域が増え、最終的には、コーチ・エィがいなくても取り組みを定着できるという自信をもっていただきました。また、B社では執行役全員がエグゼクティブコーチを受ける、社長自らオーナーシップをもってコーチを受け続けるなど、経営陣自らが先頭に立って挑戦したことが、全社に新しい風土が浸透することを強く後押ししたと考えています。